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緑内障に対する新時代の診療体系
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近年、緑内障の存在が社会的にも重要視されつつあります。このような状況において、本院では、次に述べるような特色のある診療体系をとっております。
1. 緑内障のカスタム治療
2. 学術的な実績に基づいた新しい治療
3. 個人の病院の特色を生かし、同一の医師による長期間の持続管理
以上の3点について、さらに詳しく説明します。
1. 緑内障のカスタム治療
新しいスタイルによる眼圧日内変動測定
眼圧の値は一定のものではなく、24時間周期でサインカーブを描いて動揺しているといわれています。昼間、外来で診察した時に計った眼圧がたとえ正常の範囲内だとしても、夜になったら上がっている可能性がないとはいえません。このように、緑内障の状態をきちんと診断するためには、眼圧の日内変動測定がきわめて重要です。特に現在注目を集めている正常眼圧緑内障の診断において重要なポイントとなります。
しかし、患者さん一人のために眼圧を測定する職員が24時間病院に滞在することは通常の診療体系では困難なために、研究以外の目的で日内変動の測定を行っている施設は世界でもほとんどありません。本院では職員の勤務体系に独自のローテーションシステムを取り入れて、この検査を行っています。
現在、世界各国で行われている日内変動測定の場合には、通常の診察時と同じように座った状態で眼圧が計られています。しかし、実際には患者さんは就眠時は横になっているため、心臓と眼の位置関係から、人によっては眼圧がかなり上昇するとがあります。眼圧変動の全貌を明らかするために、本院では、座位の状態と仰臥位の状態の両方の眼圧を24時間にわたり測定しています。また、実際には同じ時刻の値が日によってどう異なるかを2点にわたって測定したほうがよいので、24時間でなく26時間測定しています。
その結果から、同じ点眼薬や内服薬を使うにしても、その人の眼圧の上昇する時間帯に合わせて、よりきめの細かい治療ができるようになります。本院ではこれを緑内障のカスタム治療と呼んでいます。洋服に例えれば、既製服を買うのではなく、自分の体型に合わせたオーダーメイドの服を作るように、緑内障の治療も一人一人の状態に合わせた治療をする時代になっているということです。
また、最初は、治療薬を使用していない状態での測定を測定することを心がけています。こうすると、後に治療薬剤を使用した場合の効果を正しく評価することが可能になるからです。そのため、当院を初めに受診なさった時、緑内障の進行の程度が軽度の場合には、一旦治療薬を休止していただくこともあります。
この日内変動の検査は、休日や祝日を利用して行うこともできます。例えば土曜の午後から始めて日曜の午後に帰れます。1泊2日の入院は、検査と食事も含め健康保険が適用されます。
本院での緑内障検査法
緑内障の検査にはいろいろありますが、本院では、世界のレベルで用いられているほとんどの検査を行うことができます。
(1)眼圧測定
・ゴールドマ眼圧測定
・院内感染を起ための非接触型空気眼圧計による測定
(2)視野測定
・ゴールドマンの周辺視野測定
・ハンフリーの静的中心視野測定
・オールホーンの静的断面視野測定
(3)眼底(視神経乳頭)解析(HRT)
ちょうど月面のクレーターを観測するように、最新のコンピューター測定により緑内障の重要な所見である視神経乳頭の病的陥凹状態を定量的に計り、長期間の変化を客観的に比較することができます。
(4)各種の前房隅角測定
(5)トノグラフィー
眼球内に入ってくる房水の量と、眼球から出ていく房水の量の測定。
本院での緑内障手術
(1)アルゴンレーザー、YAGレーザーなどを用いた各種の緑内障手術
(2)メスを用いた各種の緑内障手術
2. 学術的な実績に基づいた新しい治療
緑内障に関する本院の学術的な業績
1986(昭和61)年にアメリカの国際学会において、本院で開発した緑内障に関する新しい手術法の学術フィルムが1位に入賞しています。また、この手術方法は論文としても広く世界に出版されております(Ophthalmic Surgery 1988年19巻p.101-106, 1989年20巻p.409)。また、当院で行っている眼圧の日内変動の研究成果を論文として発表し(Archives of Ophthalmology 2006年24n巻p.165-168)、広く評価を受けております。これらの学術的な実績に基づいて、常により新しく、より有効で、より合併症の少ない治療法に向けて努力しています。
3. 同一の医師による長期間の持続管理
どんなに良い治療を受けていても、たびたび医師が替わるということは患者さんにとって不安の原因になります。この点に関しても、それほど規模の大きくない個人の病院であるということが大きな特色になります。
また、緑内障に関しては はら目ディカル通信 にも情報があります。こちらもご覧下さい。