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目の成人病
最近、人間ドックでよく指摘される代表的な3つの眼所見について説明します。![]() 1 視神経乳頭陥凹(シシンケイニュウトウカンオウ)は緑内障に関する所見です。眼球の内側には光を感じる網膜があり、網膜から出た神経線維が1まとめになって眼から出ていく所が視神経乳頭です。眼球内部の圧(眼圧)は通常大気圧より10〜21mmHg高いです。視神経乳頭は眼圧が高すぎる場合に圧の影響を最も受けやすい所です。視神経乳頭は原則として網膜の内面と同じ平面ですが、圧が高くなるにつれて後ろに押されてへこ凹んでいきます。これが視神経乳頭陥凹という状態で、高い眼圧で眼が病的な変化をおこす緑内障の初期症状としての重要な所見です。ただし、正常でも中央はいくらか凹んでいるので、陥凹が病的か正常かは眼科で検査して判定する必要があります。 2 高血圧による眼の変化(高血圧性眼底と網膜動脈硬化症) 高血圧の場合、全身の動脈内圧が高くなります。それによって体の至る所に変化が出て、眼にも同じ変化が出ます。高血圧の変化は2つに分けられ、圧が高いこと自体によるものと網膜動脈硬化症です。眼底鏡で覗くと、細い網膜の血管を生きた状態で患者さんに傷害を与えずに簡単に検査でき、そこから全身の血管の状態を推察できるので、眼底検査は高血圧の際に重要な検査となります。 動脈壁は静脈壁と違い筋肉があり、血管内圧(厳 密に言うと細い動脈の内圧)が高くなると血管壁が圧の刺激を受けて筋肉が収縮して血管が細くなります。網膜血管の太さは正常時で静脈が3、動脈2の割合ですが、圧を受けて動脈が狭くなっていく程度に従って、高血圧の動脈の変化を軽いほうから1〜4度に分けられます。1〜2度は動脈の血管だけが細くなる変化で、3〜4度になると血管が細くなるに従い、末端に栄養が十分にいかなくなり、網膜の栄養障害の状態が出ます。当然、脳や腎臓などをはじめ全身の他の部分にも同様の変化が出ていることが推測されます。眼ではこの変化の1〜2度を高血圧性眼底、3〜4度を高血圧性網膜症といいます。網膜動脈硬化症は網膜動脈が長い間、高血圧の状態に置かれた時、動脈壁に線維化がおこってきます。そうすると、動脈が静脈の上をのり越えて行く所(交叉部)に変化が出ます(この部の変化が動脈硬化の程度を最もよく示すことが学問的に立証されています)。交叉部の変化を動脈硬化の軽いほうから1〜4度に分類します。
上記の高血圧の眼所見と全身の状態とを組み合わせたものがKeith-Wagener(キースウェージェナ-)分類で、軽いほうから4群まで程度分けされます。1〜2群は安静または薬で血圧が安定し、眼の高血圧性変化も2度までとなり、3〜4群になると眼の変化は3〜4度で、薬を飲んで安静にしても血圧が下がらず、全身に様々な重大な変化が現れるものです。1〜2群を良性高血圧、3〜4群を悪性高血圧と言います。 このように高血圧に関する分類はその分類の基準をよく理解しておかないと誤解を招きます。すぐに治療が必要か、経過観察かの判断は医師にご相談下さい。 |
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